7T超伝導マグネットへの挑戦−第5回低温技術講習夏合宿

Challenge to a 7-T Superconducting Magnet - 5th Summer Seminar for Cryogenic Technology


東工大原子炉研, 物質・材料研究機構A, 住友重機械工業B, ジェック東理社C, 仁木工芸D, 九州大学E
@野村新一, 松本明善A, 伊藤智幸B, 河野裕一C, 橋本守人D, 井上昌睦E


  冷凍部会主催、低温技術講習夏合宿「7T超伝導マグネットへの挑戦」が、2002年8月19日(月)から24日(土)の6日間、つくばの高エネルギー加速器研究機構(KEK)にて開催された。著者らは、本夏合宿に参加し、マグネット設計、計測、冷却に関する講習を受講し、中心磁界7Tの超伝導ソレノイドマグネットを製作し励磁試験を行った。コイル巻線作業は、3人一組、2グループに分かれ交代で行い、総巻数3840ターンを4日間かけて製作した。製作したコイルの励磁試験を行った結果、初期励磁で定格148 A(中心磁界6.9 T)の約90%にあたる137 A(中心磁界6.4 T)までの励磁に成功した。また、全7回に渡る励磁試験を通じ、最大励磁電流152 A(中心磁界 7.1 T)を達成し、使用したNbTi線の臨界電流値までの励磁に成功した。その結果、本夏合宿の目標である7 T超伝導コイルの製作及び励磁に成功することができた。講演では、超伝導コイルの製作過程及び励磁試験結果を報告するとともに、教科書だけでは得られない実際の物作りを通じて学んだ経験について発表する予定である。