交流横磁界下・交流通電時の全交流損失測定装置の構築(2)

Construction of AC loss measurement set-up for high Tc superconductors (2)


横浜国大・工
@西岡孝真,姜哲男,雨宮尚之


  著者らは試料鎖交型ピックアップコイルと電圧タップを組み合わせて全損失を測定す る装置を開発している。マグネットの渦電流や外部環境により発生するバックグラウ ンド信号を装置の向きを調整して最小限に抑えることが測定精度向上に有効であるこ とを示した。同相(損失)電圧をVx、誘導電圧をVyとしたときにロックインアンプと シャントでの位相誤差を大きく見積もって0.05度、0.005度と仮定すると誘導成分に よる誤差はVy×sin(0.05+0.005)と表せ、およそVy/1000となる。従って、Vy/1000を Vxより十分小さくすることが精度の高い測定の必要条件である。今回は2002年春季低 温工学会で発表した装置の後継装置について報告するが、磁界が最高で80mT(前者 では60mT),ターン数をふやすことによりSN比の向上、短いサンプル(60mm以上)の 測定が可能(前者は100mm以上)といった点が改良されている。