高温超電導ケーブルの交流損失

AC loss of high-Tc superconducting power cable


都城高専
@野地 英樹, 枦 健一, 濱田 次男


   高温超電導ケーブルの交流損失の計算方法とその結果について報告する。対称とするケーブルは、東京電力と住友電工が開発した114MVA級高温超電導ケーブルである。交流損失の計算は、電気回路モデルを使って行った。この中で、ケーブルを構成している各線材の交流損失は線材に印加される磁場を考慮して、CarrとMagnusonの式よりもとめた。計算結果と実験結果を比較すると、1000A通電時に計算結果が0.72W/m/ph、実験結果が0.7W/m/phであり、ほとんど一致した。ケーブル各層の電流分布を求めると、比較的均流化されていることが分かった。さらに、ケーブル各層の交流損失を求めると、導体部分では外層ほど交流損失が大きく、シールド部分ではその反対に内層ほど交流損失が大きくなっていた。これは、各層に印加される軸方向磁場の影響のためであることが明らかになった。