高温超伝導体の臨界温度および磁束ピンニングに対する中性子照射効果

Influence of neutron irradiation on critical temperature and flux pinning in high Tc superconductorsc


熊本大学工学部A,熊本県工業技術センターB
@末吉哲郎A,稲田俊介A,松永崇A,藤吉孝則A,宮原邦幸A,宮川隆二B,池上知顯A,蛯原健二A


  高温超伝導体に対する中性子照射は,磁束ピンニング特性向上のために試みられているが,その代償として照射損傷による超伝導性の劣化を伴う.一方,少量の中性子照射量(〜1012cm-2)では,超伝導性が向上するという報告がある.本研究では,超伝導性が向上する中性子照射量の範囲において,臨界温度,臨界電流密度および電流−電圧特性のスケーリングパラメータを調べた.この照射量領域において,超伝導性向上とともに磁束ピンニング特性も向上することが確認された.