The Method to Reduce AC Losses in LTS Pulse Coils
鹿児島大・工,核融合研A,福岡女大B
@中西 誠,川越 明史,住吉 文夫,三戸 利行A,川島 照子B
核融合装置やSMESに用いられる大型超伝導コイルには高安定性と低損失性が要求される.このために我々は新しいコイル巻線方法を提案している.本巻線方法では,主要部分が複数本の成形より線を積層した構造を持つ導体を使用し,コイル内で巻線導体に印加される横磁界と導体の損失特性が最良となる方向とが一致するように導体軸周りの捻り角を制御する.これまでに,試作コイル巻線用導体の交流損失測定を行い,素線同士の接触面抵抗が約10-12[Ωm2]と非常に小さい抵抗で接続されているにもかかわらず,導体単位体積当りの損失時定数が10[msec]と非常に小さいことを明らかにしている.今回はこの導体を用いて巻線した試作コイルの交流損失特性を理論的に計算し,本巻線方法の効果を定量的に評価した.試作コイルは,同じ形状を持つ捻りあり,なしコイルを同軸に配置し,同時運転するとした.このとき,それぞれの通電電流の向きは逆方向とし,捻りありコイルの捻り角は同時運転するとして決定した.それぞれのコイルの交流損失を計算した結果,それぞれのコイルが最も接近している場所で発生する局所的な損失は,捻りありコイルの方が,捻りなしコイルよりも88%低減できることがわかった.またコイル全体で発生する損失も約74%低減できることがわかった.このように本巻線方法が非常に効果的であることがわかった.