46kA,13Tニオブ・アルミ超伝導コイルの試験結果
―通電による交流損失の変 化と結合時定数の評価―

Test results of 46kA,13T Nb3Al superconducting coil
-Change of AC losses by charging operation and estimation of coupling time constant-


日本原子力研究所
@松井邦浩, 小泉徳潔, 高橋良和, 奥野清, モデル・コイル実験グループ


  ニオブ・アルミ・インサートは導体の電磁力支持のためにステンレス製のマ ンドレルを有している。このマンドレル内で渦電流損失が発生し導体と熱交換をする ため、熱量法による交流損失測定は非常に困難である。そこで、ピック・アップ・コ イルを用いた磁化法により交流損失を測定した。コイルと素線のヒステリシス損失を 比較することで交流損失を定量化し、その結果、以下のことが判明した。結合損失は 大きな電磁力が発生する通電を重ねる毎に減少した。さらに、最終的な結合時定数は 300〜400msの短い時定数と1000秒オーダーの長い時定数で構成されていることを明ら かにした。この長時定数結合損失は、大型コイルとなったときに発生する損失で、導 体上に設置したホール素子でも測定された。長時定数結合損失は、外部磁場の変化速 度が損失時定数と同程度以上の場合に全損失に占める割合が大きくなるため、その発 生メカニズム等を明らかにしていく必要がある。