薄膜限流器用大面積超電導膜の臨界電流特性向上とコスト試算

Improvement of the critical current of large-area superconducting thin films for fault-current limiters and estimate of their costs 


産業技術総合研究所
@山崎裕文, K. Develos, 山田博, 中川愛彦


  薄膜限流器に用いる大面積超電導膜として、サファイア基板上の YBCO 膜が 開発されているが、サファイアの熱膨張係数が YBCO のそれよりも小さいため、一般 的に膜厚が〜300 nm 以上になるとマイクロクラックが発生することが知られてい る。しかし、パルスレーザー蒸着法で大面積 YBCO 膜を作製すると、多くの結晶欠陥 を含むためか1μm 以上になってもクラックが発生しないことが分かり、基板単位幅 当りの臨界電流を大きく向上できる見通しが出てきた。200〜300 A/cm という、現状 の3〜4倍の電流密度が達成された場合、薄膜限流器を構成する YBCO 膜の価格がど のレベルになれば実用化が可能かを試算したので報告する。