大型超電導磁気勾配浮上システムにおける強磁性体の浮上特性

Levitation Characteristics of Iron in the Large-Scale Superconductive Magnetic Gradient Levitation System


JR東海総合技術本部A,東大新領域創成科学研究科B
鈴木栄司A,久保田通彰A,柏木隆行A,松田丈志A,平川正澄A,中島洋A,大崎博之B


  磁気勾配浮上(mixed-myu)システムは、磁場の勾配を適切に整形することにより強磁性体(鉄)を静止状態から無制御で安定浮上させることが出来る浮上機構である。我々が浮上試験を実施した試験装置は、実規模に近いスケールのものであり、レーストラック形状の磁界発生用超電導コイル、NbTi積層板からなる超電導磁気遮蔽板(反磁性体)、及び鉄(強磁性体)を含む浮上体、から構成されている。試験の結果、室温空間において無制御で浮上体を安定浮上させることができた。その際の重りを含めた浮上体最大質量は79kg(うち鉄質量26kg)であった。さらに我々は有限要素法による電磁力解析を行った結果、実験結果と良く一致することが確認できた。これらのことより、数値解析によるパラメータサーベイによって安定した磁気浮上系を設計できる見通しを得ることが出来た。