焼結におけるBi-2223相の成長と配向性に及ぼす磁場付加の影響

Effect of magnetic fields on formation and texture of Bi-2223 phase during sintering


秋田大学工学資源学部、東北大金研A、東北大学低温センターB

@永田 明彦, 魯小葉, 渡辺 和雄A, 野島 勉B, 菅原 和久, 鎌田 真一


  原料粉末をBi1.8Pb0.4Sr1.9Ca2.1Cu3.5Ox組成となるように秤量、混合、仮焼、粉砕し、圧粉成形により外径10mm、高さ10mmの円柱状試料を作製した。これをAg容器に挿入し、超伝導マグネットに組み込まれた電気炉中に表面が印加磁場Haと垂直になるように配置し、大気中10Tの強磁場中で835℃〜860℃の範囲で120hの焼結を行った。これらの試料をX線回折、帯磁率測定、SEM、EDS、VSMによりBi-2223相の結晶成長と配向性について解析した。 10Tで850℃〜855℃温度範囲で焼結した試料ではc軸配向したBi-2212相とBi2223相の混合組織が観察された。855℃以上温度での焼結した試料ではBi-2223相は生成せず、c軸配向したBi-2212相が生成した。10Tで835℃〜845℃範囲で焼結した試料では、Bi-2223相の生成率が高いが、c軸配向性はなかった。以上の結果より、強磁場中での焼結温度はBi-2223相の生成と配向性に大きな影響を与える。さらに、強磁場中での焼結過程では液相の存在がBi系超伝導相配向組織の生成に大きな影響を与えると考えられる。