Ag/Bi2223テープ材の繰り返し応力負荷による臨界電流の低下機構

Degradation of Critical Current under Cyclic Loading in Ag/Bi2223 Tapes


京大工

@菅野未知央,長村光造,松本要


  Ag/Bi2223多芯テープ材に液体窒素中で繰り返し応力を負荷し、サイクル数と臨界電流(Ic)との関係を調べた。Icの変化には3つのstageがみられた。低サイクルではIcはサイクル数とともに徐々に低下した。(StageI)その後は、Icが一定値をとる領域がみられた。(StageII)また、テープ材全体で破断が起こる直前に再びIcが低下した。(StageIII)このStageIIIの状態で疲労サイクルを停止し、静的引張破断させたところ、応力-ひずみ曲線中にマトリックスであるAgの加工硬化領域がみられなかった。以上のことから、StageIIIでのIcの低下はマトリックスに発生した疲労き裂が超伝導フィラメントに達したことによって起こったと考えられる。