Y系テープ線材用2軸配向金属基板の作製

Preparation of biaxially textured metallic substrates for YBCO coated conductors


京都大学, 超電導工学研究所A

@松本 要, 長村光造, 湯浅豊隆A, 平林 泉A


  Y系テープ線材用金属基板には高度に2軸配向化した結晶組織と微細な結晶粒、さらに基板表面の平坦性が要求される。我々はNi、Cu、Cu-Ni合金などのFCC金属に冷間圧延と再結晶熱処理を施して、これらの要件を満たした基板の開発を行っている。本研究によって面内配向性としてφスキャンの半値幅で7度、高温熱処理後の結晶粒径で10ミクロン、平坦性に関しても表面グルーブの発生を押さえた基板を作製することができた。半値幅の低減と表面グルーブの抑止は、その上にバッファー層を介して成膜するY系薄膜中の大傾角粒界の形成抑止に極めて効果的である。また結晶粒径の微細化は、テープ線材においてはパーコレーションパスの確保と言う観点から大変有効である。本研究ではこれら金属基板上へのバッファー層の形成についても、SOE法や塗布法で検討を行っている。またY系薄膜についてはパルスレーザー蒸着法を用いている。当日はこれらの成果についても報告する予定である。