Influence of bending strain on transverse-field losses in NbTi multifilamentary superconducting wires(2)
鹿児島大・工
@黒葛秀輝,川畑秋馬
超伝導線材の交流損失をピックアップコイル法で測定する場合、試料線材はソレノイドコイル状に巻線される。このとき線材に加わる曲げ歪みにより交流損失特性が変化することが予想されるが、曲げ歪みによる交流損失への影響についての定量的な評価はこれまで行われていない。そこで、本研究では、超伝導線材に加わる曲げ歪みを変化させて交流損失を測定し、そのときの試料線材長手方向の導電率との関係について調べた。その結果、曲げ歪みが5%程度までの範囲において、ヒステリシス損失はほとんど変化しないが、結合損失は曲げ歪みの増加に伴い徐々に減少する傾向を示した。この結合損失の曲げ歪みによる減少は、マトリックスの導電率が曲げ歪みにより低下することで定量的に説明できることがわかった。またピックアップコイルの幾何学的配置が測定結果に及ぼす影響についても検討した結果、ピックアップコイルの幾何学的形状による誤差は1%程度であることがわかった。