パウダー・イン・チューブ法により作製したMgB2線材の組織と臨界電流特性

Microstructure and current carrying properties of powder-in-tube processed MgB2 tapes and wires

物質・材料研究機構

@熊倉浩明,松本明善,北口仁,藤井宏樹,戸叶一正

　 パウダーインチューブ法によりMgB2線材を作製し、組織と超伝導特性を調べた。MgB2粉末をステンレス管ならびにCu-Ni管に詰め込み、テープやワイヤーに加工した。また、Mg+B混合粉末をTa管に詰め込み、テープに加工後、熱処理した。さらに比較のためにMgB2バルク材も作製した。これらの試料について微細組織を観察し、また抵抗法や磁化法で臨界電流密度を評価した。 MgB2粉末＋ステンレス管の組み合わせでは、熱処理無しに45万A/cm2の高いJcが4.2K,ゼロ磁界で得られた。また、歪み効果を調べたところ0.5%歪みまではJcの劣化が観測されなかった。さらに組織とJcの関係を詳しく調べたところ、Jcの磁界依存性はMgB2の結晶粒径に依存することがわかった。これより主要なピン止め点は結晶粒界と考えられる。