モンテカルロ法を用いた密巻き超伝導磁石の機械的挙動解析

Analysis of wire motion in a superconducting magnet by Monte Carlo method


大阪大学大学院工学研究科原子力工学専攻西嶋研究室

@尾形英輝


  モンテカルロ法を用いて超伝導磁石の機械的挙動の解析を行った。コイル内の段上がり部、渡り部に代表される特異点での線材の機械的挙動が不明なため従来の解析ではコイルの安定性が充分に議論されていない。応力解析にはFEMが用いられてきたが線材同士が変形しあいながら動いていくプロセスを解析するのには適していない、そこで本研究ではモンテカルロ法を用い特異点における線材の挙動を解析した。解析の妥当性を検討するため、本研究では巻線サンプルの軸圧縮模擬試験を実施し、応力歪み特性と計算結果を比較した。その結果、モンテカルロ法より求めたコイルの巨視的ヤング率と実験結果とが一致した。また、散逸エネルギーからワイヤーモーションによる擾乱エネルギーを見積もり、特異点における線材挙動がクエンチの一要因になりうることを明らかにした。