The evaluation of the stability in the multi-layer superconducting coil by the most appropriate winding-tension
九州大学A,上智大学B,東洋紡績株式会社C
@南里和成A,川田賢一郎A,木内勝A,松尾政晃A,佐藤誠樹A,竹尾正勝A,高尾智明B,山中敦彦C
超電導線の動きによる機械的擾乱は超電導コイルの不安定性の主要原因の一つとして考えられる。我々はこれまでに、この機械的擾乱を低減させることにより、コイルの連続通電性において高いクエンチ電流値を有する安定性の高い超電導コイルの実現を目指してきた。今回の試作コイルに用いたボビンはDGFRP（Dyneema繊維強化プラスチック）とGFRP（ガラス繊維強化プラスチック）の二種類である。DGFRPは低温下で繊維方向に膨張する機械的特性を持ち、低摩擦係数、高熱伝導率を有する。それに対し、GFRPは低温下では収縮する機械的特性を持ち、高摩擦係数、低熱伝導率を有している。今回の目的は、上記の物質的特性の異なる二種類のボビンにおいて、超電導コイルが最も安定性に優れたものになる、最適な巻きテンションを解明することである。実験は、上記の二種類のボビンを用いて、それぞれのボビンに様々な巻きテンションを施した超電導コイルを試作し、巻きテンションとクエンチ電流値の関係を調べた。