大型超伝導コイル用高温超伝導電流導入部の開発研究(3)

Development of HTS current feeders for large-scale superconducting 


核融合研,九大工A,東海大B,高エネ研C,カールスルーエ研究所D

@三戸利行,岩本晃史,前畑京介A,田村仁,濱口真司,菱沼良光,山田修一,西村新,前川龍司,高畑一也,今川信作,柳長門,力石浩孝,佐藤隆,本島修,石橋健二A,竹尾正勝A,山田豊B,太刀川恭治B,新冨孝和C,Reinhard HellerD


  核融合研では、高温超伝導体を用いた大型超伝導コイルの大電流導入部の開発研究を国内外の大学及び研究所と共同して進めている。電流導入部への高温超伝導体の応用として2つの研究テーマが進行しており、1つはLHDの第II期でのヘリカルコイルの超流動化に対応した4.4Kから1.8Kへの電流導入端子の開発、もう1つは4.4Kから60Kまでの高温超伝導電流リードの開発である。本報告では主に、QMG法で製作したYBCOバルクを導体として用いた4.4K-1.8KのHTS大電流導入部の研究開発状況について報告する。20kA級電流導入部として現在までに4つのプロトタイプを製作し、実験を行った。プロトタイプ1では、バルク導体を埋め込んだGFRPとの熱収縮率の差によって、冷却中にバルク導体が機械的に破損した。GFRP材料及び繊維方向を見直したプロトタイプ2及び3では、冷却中のバルク導体破損は起きなかったが、通電中に導体が破損し、1.4kA以上の通電はできなかった。この原因はバルク導体内に欠陥があったためと推定され、プロトタイプ4では、電流導入部に組み込む前にバルク導体内の欠陥の有無を液体窒素温度で着磁法によって検査した。結果としてプロトタイプ4は19.6kAまでの通電に成功し、事前検査が有効であることが確認された。