京大工
菅野未知央、長村光造
酸化物と金属の複合体であるAg/Bi2223テープ材は機械的にぜい弱であるため 、その影響をよく調べておくことは重要である。本研究では酸化物中にクラックが形 成され伝播する過程を明らかにするため、繰返し荷重による機械的・超伝導特性の変 化を調べた。みかけの弾性領域においても、ある荷重のもとでは数回の繰返しにより 臨界電流は著しく減少し、さらに数100回の繰返しに至まで臨界電流は減少し続け 、その後一定になった。さらに荷重を大きくすると巨視的な破壊が進行し臨界電流は ゼロとなった。要するにある荷重範囲で除々に破壊が進行することが明らかとなり、 工学的にも重要な知見が得られた。