Pb置換したHg-1223超伝導体の不可逆磁界


九大,FU BerlinA,FEMB
@柁川一弘,船木和夫,K.LuedersA,H.R.KhanB


  Hg系超伝導体は、その超伝導転移温度が大きいことから、将来の応用を視野に入れた基礎的な研究が行われている。酸化物超伝導体を実用化する際に把握の必要な最も重要なパラメータの一つは、不可逆磁界である。不可逆磁界以上の外部磁界を超伝導体に印加すると、その臨界電流密度がゼロであるため、無損失電流を超伝導体に通電することができない。従って、超伝導体の適用範囲は不可逆磁界以下に抑えられることになる。今回の報告では、Hg-1223超伝導体のHgをPbで一部置換した2種類の円柱形状バルク試料を用意している。この試料に直流磁界と微小振幅の交流磁界を印加して、その交流帯磁率の温度依存性を測定し、広範な条件下における不可逆磁界を評価している。また、磁束クリープモデルに基づいた不可逆磁界の理論式を用いて実験結果を整理し、各ピンニングパラメータを導出している。