能開大
@福岡克弘,橋本光男
高臨界電流密度の特性を持つ高温超電導体を用いた応用の一例に磁気シールドがある。高温超電導体を用いた磁気シールドでは、静磁場から高周波数領域まで高効率な磁気シールドを実現できる。しかし、高温超電導体は製造過程において結晶粒界やクラック等のウィークリンクを含んでいる場合や、試料を使用する上での電磁力やヒートショックによりクラックが生じる場合もあり必ずしも均一な材料ではない。また、高温超電導体の磁束フローによる磁束侵入の評価が重要となる。そこで、ホール素子を用いて超電導体各点の表面磁束密度を計測し、そのデータからフルカラー画像を描き、交流磁場中における高温超電導体の磁束密度分布を可視化表示し交流磁気特性を評価することを検討した。本研究では、高温超電導体を用いた磁気シールドの特徴である静磁場および1〜250Hz程度の比較的低い周波数領域での高温超電導体の磁気特性を明らかにする。本研究により、ウィークリンクを含む高温超電導試料であっても、ある程度高い周波数領域では磁気シールド材として使用できることが確認された。