超電導工研
@小笠原慶,坂井直道,村上雅人
溶融成長したREBa2Cu3Oy(RE =Yまたは希土類元素)バルク超電導体中には多数のサブグレインが存在しており、高磁場下での弱結合の原因となる可能性も示唆されているため、その生成機構および超電導特性への影響を知ることはバルク材料の高磁場応用および大型化にとって重要である。本研究ではREBa2Cu3Oy(RE = Y, Sm,Nd)バルク体中のサブグレイン構造を調べる手段として、従来の偏光光学顕微鏡観察に加え、サブグレインのずれ角算出には微小部X線回折装置による極点図解析の手法を用いた。この方法は最小10ミクロン径の領域における結晶情報を得ることができるので、サブグレインの解析に適している。サブグレインは結晶成長初期に発生し、成長方向に沿ってずれ角を大きくしながら伸長していることがわかった。得られた結果からサブグレインの生成機構についても考察する。