ホールセンサを用いた素線電流の測定法についての検討


横浜国大A,筑波大B,高エ研C
@米川啓文,雨宮尚之A,佐々木憲一B,中本建志,荻津透,新冨孝和,土屋清澄C


  筆者らは、自己磁界下における超伝導3本撚り線の素線電流分布の測定、及び外部磁界下におけるラザフォードケーブルの素線電流分布の測定を行ってきた。素線間の接触電気抵抗がほぼ均一なケーブルの場合、直流定常状態での素線電流の長手方向分布は直線的と考えるのが妥当であるが、超伝導3本撚り線を用いた実験では素線電流の測定値には+-約30 %の測定誤差が生じ鋸の歯のような分布となった。ラザフォードケーブルを用いた実験では誤差がさらに大きかった。測定時にホールセンサのオフセット電圧が時間的に変動していたことから、このオフセット電圧の時間的な変動が素線電流の測定誤差の原因と考えられる。本稿では、これまでに開発したホールセンサを用いた素線電流の測定法および測定結果についてまとめ、その測定誤差について検討した。