名古屋大学
@早川 直樹,岩花史和,大久保仁
本研究では，NbTi/CuNi交流用超電導線材の過電流通電時における抵抗発生特性を高精度・高時間分解測定し，常電導領域の発現過程について実験的に検証した．本実験では，諸元の異なる3種類の超電導線材について，交流大電流通電時の発生電圧を3.3μV/cmの感度で検出した．その結果，常電導領域の発現時にはμΩオーダの微小抵抗が発生し，μsオーダの飽和・停滞期間を経た後，急激に上昇することを見出した．また，微小発生抵抗を超電導線の長さに換算することにより，常電導領域の固有伝搬長（μmオーダ）が存在することを示唆した．さらに，上記の固有伝搬長は，常電導領域に投入されたエネルギー（μJオーダ）と正の相関があることを指摘した．