京大工A, 京大メゾ研B, 新日先端技研C
小熊英隆A、長村光造A、酒井明B、大塚
広明C、伊藤郁夫C
ナノスケールの超伝導/常伝導多層膜は基礎物性的にも興味があるので、加工 熱処理法により大型の試料を作製することを試みた。Nb-TiとCuの反応を防ぐため Nb-Ti箔をNb箔で挟み、加工性と導電性を保つため析出硬化型のCu-Ni-Si合金箔を用いた多層膜を高温拡散接合と低温圧延の組み合わせにより作製した。Nb-Ti層厚が5nmになっても超伝導電流が流れる多層膜を作ることができた。巨視的ピンニング力の最大はNb-Ti層厚が約60nmまでは5 T付近に、60から40nmに減少すると5 Tから1.5T付近に最大は移動した。40nm以下では1.5T付近で一定となった。これは界面ピンニングと近接効果のかねあいで決まることが推論された。