プローブ結合型マイクロストリップ線路共振器法による線状試料の表面抵抗測定の一検討


山形大学工学部A,鳥取大学工学部B
@岡井大祐A,楠正暢A,向田昌志A,大嶋重利A,岸田悟B


  近年,Bi系(BSCCO)ウィスカは固有ジョセフソン効果を利用した単結晶ジョセフソン接合デバイスや磁束量子デバイスの材料として期待されている。これらのデバイスを実現するためには高品質の試料が必要となる。作製されたBSCCOウィスカの特性評価は,直流四端子法によるTcや,X線回折パターンによる結晶構造などで行われている。しかし,試料の高周波特性の評価は今までにほとんど行われていない。その理由として,試料形状が線状であるため,試料の高周波特性評価方法が検討されていなかったことが挙げられる。 我々は,線状試料の高周波特性の評価方法としてプローブ結合型マイクロストリップ線路共振器法を検討している。 マイクロストリップ共振器は,導体であるグランドプレーンの上に誘電体があり,さらにその上に導体であるマイクロストリップからなる。本実験では,マイクロストリップとして線状試料を用いることで共振器を作製し,共振器のQ値を測定した。実験結果より,試料が銅線の場合共振器のQ値の測定が可能であることが確認された。現在,この方法を用いてBSCCOウィスカのQ値測定を行っている。詳細は,当日報告する。