急熱急冷法によるNb3(Al,Ge)多芯線材作製条件の検討


金材技研
@菊池章弘,飯嶋安男,井上廉,小菅通雄,伊藤喜久男


  約40TのHc2(4.2K)を有するNb3(Al,Ge)は、超高磁界用線材として有力な候補の一つである。我々は、急熱急冷法による超高磁界用Nb3(Al,Ge)線材の作製を試みている。先に、前駆体フィラメント中のAl-Ge合金コア径を小さくすることで、Jcが向上することを報告した。これは、Nb/Al-Ge拡散対密度の増加により、生成する15相の割合が増加したためと考えられるが、依然としてNb5Ge3基化合物等の第2相が多数認められる。このような多数の第2相の生成は、前駆体線材中におけるGe粒子の不均質な分布が深く関与していると考えられる。今回、Al-Ge合金中に含まれるGe量を変化させたときの、線材加工性及び超電導特性について検討した。さらに、Geが微細に分散したAl-Ge合金を放電プラズマ焼結法により作製し、それを用いた前駆体線材の作製を新たに試みた。