外部安定化・急熱急冷法Nb3Al多芯線の小コイル試験


金材技研A,科技団B,日立日立研C,日立電線D
@竹内孝夫A,B,田川浩平A,B,D,伴野信哉A,B木吉 司A,B,松本真治,和田 仁A,B,相原勝蔵C,和田山芳英C,岡田道哉C,中川和彦D


  優れた耐歪み特性を保持して強磁場特性が著しく向上した急熱急冷変態RHQT法 Nb3Al線材は,加速器,核融合炉,NMR分析装置などの超伝導マグネットの強磁場化を可能にさせることから,次世代の高性能超伝導線材として注目されている。コイル化に関しては,これまでに直径が0.5mm,長さが137mの線材を用いて小コイルが試作され,長手方向での臨界電流密度特性の均一性が確認されている。しかし安定化材が付与されていないため,外部磁場や運転温度が下がってコイルの通電電流値が25A以上になると,短尺試料のIcに達する前にクエンチしていた。今回,急冷後クラッド加工によりCuを安定化材として付与した30m長の線材を用いてコイルを試作し,2.0K, 21.2Tのバックアップ磁場中で短尺試料のIcに相当する179Aを通電し,1.3Tの磁場発生に成功した。合計磁場22.5Tは金属系超電導コイルとしては世界最高の値である。