(株)フジクラ
@飯島康裕,柿本一臣, 木村真理子, 斎藤隆
IBAD法によって形成するYSZ中間層は、高強度圧延合金テープ上において常温付近で高度に配向成長する。その結果、良好な結晶配向性を持った平滑な表面が簡単に得られ、これを用いたY-123線材は比較的安定に高特性が得られ、数ｍ長の高Jc試料が得られている。一方、本中間層は、1)格子定数がY-123と若干異なる、2)配向に要する時間が長い、3)Y-123とわずかな界面反応をおこす、等の問題があり、今後の長尺化にあたって改善が望まれている。本報告では、YSZと結晶構造の近いいくつかの螢石型、パイロクロア型、希土類C型の酸化物材料を用いて、より望ましいIBAD中間層の探索を行った。その結果、いくつかのパイロクロア型酸化物材料において、YSZの欠点を補える中間層の候補を見出した。