高抵抗バリア導入による銀シースBi2223多芯テープ線材の交流通電損失の低減化


豊橋技科大・工A,西北有色金属研究院B,(財)鉄道総合技術研究所C
@稲田亮史A,宇野徳志朗A,高取洋介A,太田昭男A,張平祥AB,周廉B,藤本浩之C


  高抵抗バリアの導入によって、超伝導フィラメント間の結合を抑制し、線材の交流損失の低減化を図る研究が盛んに行われている。本研究において、我々はテープ面に並行に高抵抗バリアを導入した銀シースBi系2223相多芯テープ線材を作製し、50〜1000Hzにおける交流通電損失特性を測定、評価した。Bi2201をバリアとして導入したテープ線材において、商用周波数付近の通電損失は、バリアなしのテープ線材と同様に、フィラメント内で発生するヒステリシス損失が支配的であった。しかし、その大きさはバリアなしのテープ線材の30%程度まで抑制される結果が得られた。この結果は、バリアで分割されたシート状のフィラメント群の結合が抑制されたことに起因すると考えられる。