九州大学大学院システム情報科学研究科,東北大学金属材料研究所A
@井上昌睦,小田和弘、西村昭一、木内勝、木須隆暢、竹尾正勝、松下照男、淡路智A,渡辺和雄A
我々はこれまで、統計的手法を用いて、高温超伝導体の電流輸送特性を記述する方法を提出している。すなわち、ピン強度の統計分布は、最小ピン強度と代表的ピン強度の2つで表すことが可能であり、両者の熱力学的振る舞いは、従来より知られているピン力のスケール則に基づいて記述することが可能となる。すでに、YBCO薄膜を用いた測定において、12T以下の磁場領域で本モデルが良く成り立つことを明らかとした。本実験では、印加磁場を23Tまでの強磁場領域に拡張し、強磁場下における本モデルの妥当性について検証する。さらに、膜面に対する印加磁場の方向を系統的に変化させることで、印加磁場に対する異方性についても測定し、この結果を基にピン強度とその統計分布の異方性について議論を行う。