PLD法によるYBCO薄膜線材の中間層および種膜に関する検討

Fabrication of buffer and seed layers for LPE growth of YBCO thin film wires


超電導工学研究所,(株)古河電工A
@金錫範,前田敏彦,山田容士,須賀俊裕,山田穣,渡部智則A,和田克則A,平林和泉


77Kでの磁場中臨界電流特性が優れているYBCO薄膜線材を代表とする次世代線材の開発研究が日本と米国を中心に活発に行われている。薄膜線材の作成法の一つである液相エピタキシャル(LPE)法は、他の手法に比べて線材の厚膜化、高速成膜化が非常に容易な手法である。しかし、LPE法でYBCO薄膜線材を作製するためにはYBCOとのミスマチングが非常に小さくないとできないため、一般的には種膜と呼ばれるYBCO薄膜をpulsed laser depositiopn (PLD)法などで成膜し、その上にLPEで作製する。 本発表では新しい種膜としてNdGaO3を提案し、その有効性について検討を行ったのでその結果を報告する。STO, LAOなどの単結晶基板上にPLD法と熱処理行程により2軸配向したNdGaO3膜を作製し、その上にLPE法によるYBCOの成膜が可能であることを確認した。さらに、配向金属基板を模擬したNiO/STO, Ag/MgO基板上での作製可能であることを確認した。