溶融法で作製したNb3Al単相ターゲットによるNb3Al薄膜

Sputtered Films With A Single Phase Nb3Al Sputtering Target Made By Melting Process


電総研,Aフジクラ
@我妻洸,立石裕,新井和昭,A武田薫,A後藤謙次


  現在Nb3Alは主にゼリーロール法やNbパイプ法などにより線材化に成功している。これは膜厚を薄くしNbとAlの熱拡散パスを数10nm程度まで小さくし、1000℃以下の低温度でもA15相を生成出来る為と考えられている。従って、スパッタや粉末冶金によりNbとAlを数10nm程度以下の薄い多層の膜や粒を作成し、これに熱拡散処理を施せば、Nb3Alを作成出来る可能性が有ると考えられる。我々は、Nb3Alのスパッタによる薄膜作製を試みてきた。今まで、Nb-Al化合物合金のσ相(Nb2Al)とNbから成るターゲットを試作し、中間相としてNb3Alだけが出来るように試みたが、その結果は、Al2O3単結晶基板上のスッパタ膜はが900℃×1時間の熱処理で超電導特性を示したが、臨界温度は約約8.5Kと低く、改善が必要であった。 今回は溶融法で作製したNb3AlのA15単相ターゲットを用いて、Al2O3およびMgO単結晶基板上にスパッタ膜を作成し、850℃×1時間の熱処理で臨界温度約13.8Kの試料が得られたので報告する。