密巻NbTi超電導コイルの安定性 - 銅比とエポキシ含浸の影響

Stability of Tightly Wound Superconducting Coils - Effects of Cu-SC ratio and epoxy Impregnation


核融合研A, 大阪大学産研B, 東芝C, 昭和電線電纜D, 古河電工E
@佐藤 隆A, 西嶋茂宏B, 山本一生C, 嶋田守C, 大谷 望D, 三好一豊E


素線の銅比の異なる超伝導線を密巻したNbTi超伝導コイル(コイルA:銅比0.9、コイルB:銅比1.8)の安定について、コイル巻線部をエポキシ樹脂含浸し、コイル巻線を部分的に加熱した場合におけるコイルの安定性について報告する。超伝導コイルの安定性は、超伝導コイルの通電電流を一定に保持した状態にて抵抗ヒーターによってパルス的に巻線を部分的に加熱し、クエンチ、非クエンチの限界入熱量を求めることにより評価した。その結果、超伝導コイルの安定性は、加熱時間に大きく依存することが明らかになった。具体的には、比較的長い時間(0.1〜1sec)の加熱では、同じ通電電流値(100A)に対して、コイルAの方がわずかに安定性が高かったが、短い加熱時間(0.001〜0.01sec)では逆にコイルBの方が高い安定性を示した。また、樹脂含浸前における試験結果との比較から、コイルA、Bともに熱擾乱に対する安定性が低下したことが明らかになった。