素線動力学を用いた密巻含浸コイルの安定性解析

Wire dynamics simulation of stability and mechanical properties in the impregnated superconducting magnets


阪大産研
@大平 慎一郎, 西嶋茂宏


密巻含浸コイルにおいて、線材の固定に使用されている含浸材は、冷却による熱応力と、通電による電磁力の作用により破壊が起こる可能性がある。この含浸材の破壊がもたらす発熱や、それに伴うワイヤーモーションによる摩擦が発熱はクエンチを引き起こすと考えられている。この種のコイルにおいては、クエンチを繰り返すことによりクエンチ電流が増加する、トレーニング現象を示すことがある。本研究では、素線動力学による解析手法を用いて密巻含浸コイルの巻き線,含浸,冷却,励磁過程の模擬を行いコイル内の応力分布を解析した。さらにそれらを利用して含浸材破壊とコイルの安定性の関係、トレーニングの現象について考察した。その結果、含浸材の破壊による応力緩和がトレーニングの原因であることが解析できた。