超伝導アンテナ用小型冷却システムの真空封止特性

Seal-off property of a miniaturized cooling system for HTS antennas


山形大工A,住友重機械工業B
@江畑克史A,佐藤和明A,楠正暢A,向田昌志A,大嶋重利A,鈴木雄一郎B,金尾憲一B


  我々は,高温超伝導アンテナ用冷却システムの開発を行っている.スターリング型冷凍機を用いて,可搬な重量・大きさを有する冷却システムを作製した.本システムにおいて,アンテナは真空チャンバー内で真空断熱される.真空チャンバーには,マイクロ波用コネクタや電流導入用コネクタの他,マイクロ波伝搬用のサファイヤ窓が取り付けてある.真空封止特性を考慮して,これらの部品は真空チャンバーに溶接してある.本システムについて,1カ月間に渡る真空封止実験を行った.実験手順は以下の通りである. 1.十分な真空引きの後,冷却を開始する. 2.最低温度(約40K)に到達したところで真空バルブを閉じ,真空ポンプを取り外す. 3.1カ月間に渡り,コールドステージの温度と真空チャンバー内の圧力を測定する. この結果,真空封止状態でも,コールドステージ温度は高温超伝導体の冷却に十分な温度を保っていた.実験後,コールドステージに吸着されたガスを分析した結果,大量の水分が吸着されていたことが分かった.