偏流の生じたラザフォードケーブルにおける電流再配分現象と安定性(2)-素線間の接触の異なるケーブルの比較-

横浜国大A,筑波大B,高エ研C

@米川啓文,雨宮尚之A,佐々木憲一B,中本建志,荻津透,新冨孝和,土屋清澄C


 筆者らは、8本撚りラザフォードケーブルを対象として、素線電流分布が不均一な状態下での局所的擾乱に対する電流再配分および安定性について実験的に研究を行ってきた。今回、素線間の接触が悪いケーブルにおける電流再配分現象と安定性を調べるために、撚り戻して熱処理を施された8本撚りラザフォードケーブルを用いて測定を行ったので結果を報告する。ケーブル端部に設けられたヒータスイッチを用いて素線電流分布をコントロールし不均一な素線電流分布を発生させ、その後クエンチ用ヒータで局所的擾乱を加えた。常電導部の伝搬の様子を電圧タップで測定した他、クエンチ/回復過程における素線電流をホールセンサを用いて測定した。クエンチヒータで熱パルスを入力する前の電流分布(初期電流分布)及び電流再配分とMQEの関係について検討した。また、素線間の接触が良いケーブルの測定結果と比較・検討した。