ECRイオン源用伝導冷却式超電導電磁石の冷却励磁試験結果

三菱電機株式会社電力・産業システム事業所, 理化学研究所A, 筑波大学B

@湊恒明, 川口武男A, 中川孝秀A, 栗田哲郎B, 市原直, 豊田勝義


 多電荷大電流イオンビーム発生を目的としたECRイオン源用の小型冷凍機による伝導冷却式3T超電導電磁石を開発し,冷却励磁試験を行った。電磁石は同軸上に設置した4個のNbTiソレノイドコイルからなり,定格で軸上に3T,0.5T,2Tのミラー磁界を形成する。コイルは3系統の電源で励磁されているため,ミラー磁界の形状は任意である。また,最外部には磁気シールドを設け,マグネット外のイオンビーム等に対する影響を最小にしている。電磁石は常温から210時間で使用可能状態となり,クエンチ無しに定格電流まで到達した。定格通電状態での冷凍機停止試験,外部電源遮断試験を行い,再冷却して電磁石の健全性を確認した。各種の通電状態でコイルと磁気シールドの間に働く電磁力を測定し,計算結果と比較した。電磁力は有限要素法による計算結果と良く一致した。