BPSCCOバルクへのAg線の添加

核融合研,総研大A,明星大先端材料研究開発セB,明星大理工C,同和鉱業D

@西村新,松永晃治A,菱沼良光B,根本昭治C,吉澤秀二B,佐藤定男,長谷山秀悦D,本島修


 BPSCCOバルクの機械的特性の改善を目的として、Ag線の添加による強化を試みた。BPSCCO仮焼粉に直径が0.2 mm、長さが40 mmのAg線を一方向にそろえて添加し、プレス成形の後電気炉で焼成し試料(Ag線/BPSCCO)を作製した。Ag線の添加率は重量比で15 %とし、焼成条件は1113〜1118 K x 180 ksとした。Ag線/BPSCCOの液体窒素温度における臨界電流密度は、BPSCCOバルクと同等またはそれ以上の値であった。室温での3点曲げ試験により曲げ強度を評価したところ、BPSCCOバルクが63〜68 MPaであり、Ag線/BPSCCOはそれよりも高い72〜75 MPaという値を示した。また、BPSCCOバルクが3点曲げ試験後完全に二つに分離破断するのに対し、Ag線/BPSCCOは分離せず液体窒素温度においてき裂が入った状態で超伝導特性を維持することが確認された。これはAg線がき裂の進展を妨げるように作用したものと考えられる。以上より、BPSCCOバルクにAg線を添加することによる、強度およびき裂進展抵抗の上昇が明らかとなった。