急熱急冷したNb3(Al,Ge)多芯線材における臨界電流密度の向上(2)

金材技研

@菊池章弘, 飯嶋安男, 井上廉


 約2,000oCへの急速加熱と室温近傍までの急速冷却を実用的な長尺線材に適用できる急熱急冷法は、Nb3Al相のみならず、他の超電導線材の作製プロセスとして大変興味深い。従来、アーク溶解法により作製したA15-Nb3(Al,Ge)では、4.2Kで高いHc2を示すことが広く知られているが、実用化には至っていない。我々は、Nb3(Al,Ge)多芯線材の作製プロセスとして、急熱急冷法を適用し、前回、4.2K、25Tで150A/mm2のJcを得ることに成功した。この値は、これまでに報告された金属系多芯線材の中で最も高い値であり、実用的に注目される。今回はその続報を報告する。