複合 Nb3Sn 線のクエンチ特性に関する数値計算

A 東北大工, B 東北大金研

@村上朝之A, 瀬戸寿之A, 鈴木孝治A, 村瀬暁A, 島本進A,淡路智B, 渡辺和雄B


 二次元(r-z)非定常数値シミュレーションを用い、補強安定化材として Cu または CuNb 合金を用いた複合 Nb3Sn 線の温度伝播特性、常伝導部伝播特性、及び安定性に関する検討を行う。ここでは、外部印加磁界強度を 10-14 T の範囲で変化させ、液体ヘリウム浸漬冷却状態及び伝導冷却状態を模擬する断熱状態における計算を行う。特に、外部熱擾乱を加えた場合の線材内部の温度及び電流分布の、線材断面方向及び長手方向の詳細な振舞に注目するとともに、常伝導部伝播速度より複合導体の安定性を検討する。さらに、クエンチに至るか超電導回復するかの敷値としての最小クエンチエネルギー (MQE, Minimum Quench Energy)、最小伝播領域 (MPZ, Minimum Propagation Zone) の比較検討を行う。