極低温におけるオーステナイト系ステンレス鋼のビッカース硬さと機械的特性との関係

学振特別研究員A,岩手大学工学部機械工学科,B,岩手大学大学院C

@吉野泰弘A,岩渕明B,小野寺隆一C,清水友治B


 硬さは,材料の降伏応力,延性-脆性特性,弾性回復,クリープ特性,接触電気抵抗など様々な諸特性と密接な関係がある。また,ビッカース硬さと降伏応力との間にはHV=3σyという関係があることが経験的に知られているが,この関係が極低温中でも成り立つかは現在のところ明らかにされていない。そこで本研究では,極低温中において引張試験を行った材料に対して293,77,4.2Kの各温度でビッカース硬さ試験を実施し,硬さと材料の降伏応力及び引張強さとの関係について検討を行った。