酸化物超電導線材として代表的なテープ線材には、典型的には磁界が平行に印加される場合と垂直に印加される場合がある。平行磁界中での交流損失については比較的多くの実験データが得られ、議論されているが、垂直磁界中での交流損失は実験装置の制約上実験的評価が難しい。そこで我々は垂直磁界中での交流損失を測定するための、新しい装置を提案し、設計、製作した。この装置では、簡易測定法を用いることにより、電流通電時の自己磁界損失や同時掃引時の交流損失の測定も可能と考えられる。今回の発表では超電導テープ線材に垂直な、外部交流横磁界のみを印加した時と交流損失の測定をピックアップコイル法を用いて行い、実験装置の評価を行った。