F1-3
酸化物超伝導材料をマイクロ波デバイスに応用する際、薄膜の表面抵抗、臨界電流密度、磁場侵入長などは素子特性を決定する上で重要である。これらは薄膜中のグレインサイズ及びグレインバウンダリと密接に関係していることが予想されているが、as-depositionでのその制御は困難である。現在我々は、この改善方法として、アニール処理とホモエピタキシャル成長技術を用いて十分大きなグレインを持つ薄膜作製法についての研究を行っている。具体的には、はじめに基板上の薄いYBCOのグレインを熱処理によって成長させ、それをテンプレートとして改めて上部層を成膜するという手法である。この手法を用い溶融点近くの温度で熱処理を施し、AFMによる観察を行った結果、面方向のグレイン成長の様子が確認できた。その後上部に堆積した膜においても、テンプレート層を反映した構造が観察された。