超電導コイルを形成する多重撚り導体における偏流現象(2)      - 撚りピッチや巻線方法の影響 -

 超電導撚り線導体の偏流の助長パラメータについて検討した。これまでに、超電導撚り線導体の偏流の原因は、励磁電流に循環電流が重畳されることにあると報告されている。循環電流は、1)自己磁場および2)コイルにしたことによる磁場で誘導される。一方、CIC型導体に代表される、多重撚り導体においては、自己磁界によっても、外部磁界によっても理想的には偏流が生じないはずである(もちろん顕著な撚り乱れがある場合には偏流が起こる。)。 我々は、以前の論文で、撚りピッチなどのパラメータの選び方により偏流が助長される可能性があることを示唆してきた。本研究では、実際に、1)撚りピッチの組み合わせと2)巻き線方法をパラメータとして偏流の発生を数値解析により評価した。最終的に、偏流の問題を解決する基本的な設計コンセプトを提案する。