高温超電導体における電磁現象を解析するためのモデルとして、臨界状態モデルやフラックスフロー、クリープモデル等の巨視的なモデルやBCS理論に代表される微視的なモデルがある。それらのモデルでは扱えなかった類の非線形電磁現象を中間視的な立場から磁束量子の挙動を基にして数値解析を行うことを試みた。酸化物高温超電導体におけるパンケーキ磁束モデルに基づいた数値シミュレーション手法を開発し、それをBi2212に適用した。臨界電流密度の外部磁場依存性等を数値計算により求めた。実験結果との比較により本手法の妥当性の確認を行った。またピンニングセンタの分布を変えて計算を行うことにより、その影響を評価した。