E1-2

AgシースBi-2212多芯丸線の試作(その3)

Bi-2212の2重同心円状コアを持つAgシース素線をAgパイプに挿入し、外径φ1mmまで減径した多芯丸線を試作し、超電導特性を試験したので、結果を報告する。 作成した多芯丸線材を、大気雰囲気で部分溶融熱処理を行い、臨界電流を4端子法により測定し、金属顕微鏡、SEMによる組織観察および結晶配向性の確認を行った。 今回試作した61素線の丸線材(外径φ1mm)のAg比は約1で、ショートサンプル(20mm)において、218Aの臨界電流(4.2K、10T) が得られ、このときの臨界電流密度(Over-all)は2.8×104A/cm2であった。今までの試験結果と同様に芯数を増し、酸化物層の厚みを薄くして行くと、直線的に、臨界電流が向上している。 また、前回ショートサンプルの結果を報告した37素線の丸線材と同形状の線材(Ag比 約1)を新たに試作し、2m長でのJc-B特性などを測定し、結果を報告する。