E1-16

磁化の磁界掃引速度依存性から求めた溶融法 YBCO 試料の電流電圧特性

 溶融法で作製した YBCO バルク試料は、磁気浮上用の軸受けや電流リード等への応用が考えられているが、その断面積が大きく臨界電流値が大きくなることから、通電法による電流電圧特性の測定例は多くない。我々は、試料内部の電流(電界)分布が無視できるリング状試料ではなく円形・短冊状と言った作製しやすい形状の試料を用い、磁化の磁界掃引速度依存性測定から試料の電流電圧特性を正確に測定する手法を考案した[馬渡他、Appl. Phys. Lett. 70, 2300 (1997)]。今回、この手法を用いて短冊状の溶融法 YBCO 試料の電流電圧特性を測定し、77 K, 5 T と言った高磁界条件では、n値の減少とともに必要な補正が大きくなることを見いだした。しかし、0.2-0.5 T の低磁界ではn値は 20 以上になり、Bean モデルがよい近似となることを確認した。