大型コイルやSMES等の応用を考えた時、現在開発されている酸化物超電導銀シース線材では線材の通電容量が不足しており、なおかつコイルの大きなフープ力に対して機械的強度の点で満足できない状況にある。この状況に対して、酸化物超電導線材のコンジット導体化は、今存在する線材を集合化する事によって通電容量の向上とコンジット化による機械強度の向上が期待され、上記問題の解決をはかる手段となる事が予想される。筆者らは、Bi系酸化物超電導線材を用いたコンジット導体の開発を進めている中で、コンジットに納める集合導体に、7枚のテープ線材を積層して作るセグメント導体7本を転位させたものを製作した。この導体の転位ピッチを決定するに当たり、3種類のBi系超電導線材のエッジワイズ歪みを検討し、(Ag-Mg)合金シース線材がCIC導体の製作に適している事を見い出した。本報では、3種類の線材に関するエッジワイズ歪み特性評価の結果を報告する。