山梨リニア実験線用の4K/80Kマルチ運転方式のGM冷凍機の効率向上のために実施した内容について報告する。効率向上のために、2段JT膨張サイクルの採用とその最適化、GM冷凍機のバルブタイミング、蓄冷材量、ストロークおよび回転数の最適化を実施した。また、現行の山梨リニア実験線用の4K冷却システム(冷凍能力8W@4.5K)と同等寸法・重量で目標冷凍能力(8W@4.5K、150W@80K)を確保する方法として、2段側圧縮機の増速運転を採用した。その結果、放熱量を従来のシステムに対し増加させる必要があるため、圧縮機ユニット空冷コイルの伝熱性能の向上対策も行った。さらに、本システムはGM/JT冷凍機の2段GM冷凍機と80K単段GM冷凍機を同一の圧縮機でマルチ運転する方式であるため、2台のGM冷凍機の能力配分のための最適化も同時に行った。