我々は集合導体の交流通電損失を評価する研究の第一段階として、テープ線材を3本並行に並べた導体の交流通電損失の特性を調べた。高温超電導線材はテープ形状をしており、交流通電損失測定の際には電圧リード線の配置を考慮しなければならず、また、集合導体の場合は隣接線材の磁化損失の影響を排除する必要がある。そこで、線材の周囲を取り囲む円筒表面にリード線を螺旋状に巻き付ける方法（スパイラル電圧リードループ）を用いて測定を行った。この方法を用いることにより、並列配置の導体の損失測定が可能になった。本報告では、測定結果を示すとともに線材内部の電流分布と通電損失との関係について検討を加えている。