磁束線のグラス-液体転移に関する理論的考察

磁束線のいわゆるグラス-液体転移に及ぼすピンニング の影響が明らかにされてきているが、ここでは統計平均を用いて 磁束線の秩序度を求め、転移点を境にその秩序度がどのように変 わるかを調べた。その結果、低温側ではピンニング・エネルギー のゲインが弾性変形エネルギーに勝り、磁束線は乱れた状態にあ る。一方、高温側では逆で、磁束線の乱れは少ない状態にある。 このことから、いわゆるグラス-液体転移はピンニングが関与し た一種の転移であると考えられる。